結晶化誘導期における構造形成

 高分子が結晶するまでにいわゆる誘導期が存在する。従来、誘導期においてはなんら構造形成がないと考えられていたが、我々は誘導期において分子鎖配向が起こることを明らかした。これをもとに、スピノーダル分解型の新たな結晶化機構を提出し、実験的に確認した。
(1)分子鎖形態の変化が起こり、結晶コンフォメーションとなる。赤外分光で確認。

(4)剛直セグメントの平行配向化。偏光解消光散乱で確認。
系の自由エネルギーの低下(系の安定化)
臨界濃度
(2)剛直セグメント(持続長)の増大。重水素化ラベル中性子小角散乱で確認。
(3)排除体積の増大
排除体積:


b=d
(剛直セグメントの直径)
系の自由エネルギーの増大(系の不安定化)

Polymer, 33, 4451 (1992)
Polymer, 33, 4457 (1992)
Phys. Rev. Lett., 71, 25, 4163-4165 (1993)
Phys. Rev., B52, 12696-12704 (1995)
Macromolecules, 32, 8932-8937 (1999)
Phys. Rev., E65, 0618011-0618017 (2002)
Adv. Polym. Sci., 191, 187 (2005)
(5)配向揺らぎによる ミクロ相分離
 (土井理論)
スピノーダル分解型の相分離