ヒャックマン事件
当研究室における主力機器NMR。価格は数千万と言われている。
しかし、こともあろうにこの機器の心臓部を破壊した愚か者がここに!
そう、誰あろうYZ川氏である。

彼はNMRにおいてもっとも重要な「プローブ」を実験の不手際のために凍結破壊してしまったのだ。
事故当時に破壊が発見されなかったため実際の経緯の詳細は不明だが、当事者の記憶によると以下のようであるらしい。

その日彼は何回目かの低温測定実験を行おうとしていた。
室温では不安定な物質を合成したがるYZ川氏は、この測定を好んでやっていたのだ。
低温においては空気中の水分が凍結して測定を妨げてしまう。そこでサンプルの冷却、操作などすべてを乾燥窒素で行うのである。
そして彼はいつも通りに測定を行った、つもりだったのである。
当初は問題なく測定は進んでいた。しかし、時間ともにサンプルの操作がうまくいかなくなっていることに気がついた。
「おかしいな~今日は窒素の機嫌が悪いですか?」
などといいながら窒素の流速を上げていく…

しかし、このとき既にプローブ内は結露、凍結し破壊が進行していたのである。
YZ川氏は測定前の装置乾燥を完全に行っていなかったのだ。

そんなことは露とも知らず、どんどんと上げられていく窒素流速。
見えないところで進行する致命的な破損。
しかし、このときは一応測定は完了してしまった。
このままばれなければ良かったのだが、後日NMRが動作不能に陥り(当たり前)破壊が発覚、大騒ぎへと発展した。

とりあえずメーカーに問い合わせ修理担当者に見せると、一目見るなり、
「あ、こりゃダメですね。修理代は100万くらいですよ。はっはっは~」
哀れYZ川氏はただ働き3年の刑が宣告されることに。

そして彼は博士課程へと進学。
現在は「わざとじゃないのに~」と涙で枕をぬらしながら昼寝に明け暮れる毎日。
一方N助手は「奴をただ働きさせても被害額が増えるだけじゃないのか?」との疑問が頭から離れないようです

「だから昼寝して事故を防いでいるんですよ」

シアン化ケイ素大量流出事件
四塩化ケイ素500ml
入りの瓶をふたが開かない!!と頭に来たYZ川氏は万力にかけ、こじ開けようとして割ってしまった

床にこぼれた試薬は空気中の水分と反応して塩酸ガスが発生、ガスは廊下に漏れ、風に乗ってフロア全体に広がった。(その時トイレで用を足していたK村氏は、アンモニアと塩酸が反応して発生した塩化アンモニウムが尿道につまり、未だにトイレの度に激痛に悩まされている。)

また、四塩化ケイ素をシアン化ケイ素と聞き違えた人達が塩酸ガスを青酸ガスと間違え次々に倒れるなどの被害が発生した。

M田氏らの適切な処置により事態は終息したが、危険な試薬の取り扱いに不適切な点があったとしてYZ川氏に厳重注意がなされた。
死者・行方者数不明、被害総額不明大惨事であった。

四塩化ケイ素:化学式SiCl4 安い

GPCカラカラ事件
GPCによるサンプルの分取をしていたYZ川氏は、使用後にGPC(ゲルパーミエーションロマトグラム)の溶媒を流しっぱなしのままで帰宅した。M田氏が溶媒の匂いに気付いて事無きを得たが、160万円のカラムが破壊されるところであった。

追記:1998/09/15 今度は本当に涸らしました。合掌

追記:1999/06/14 M2K籐も涸らしました。うしし



有機ガス殺人未遂事件
THF(テトラヒドロフラン)の蒸留中にソフトボールの助っ人に呼ばれたYZ川氏(仮名、当時21歳、独身)はヒーターの電流を上げすぎたままソフトボールの試合に出場し、そのあとのんきに昼食を取っていた。

一方その頃研究室内では過熱した蒸留装置からTHFの蒸気があふれだし、実験室に充満していた(当時研究室は無人)。その時、たまたま研究室に尋ねてきたM本研O氏が扉を開け、強烈なTHF蒸気に襲われ昏倒。あやうく一命をとりとめたものの未だ意識は回復していない。

研究室爆破未遂事件

オイルポンプ:フラスコ内に残った溶媒を取り除くために使用する減圧乾燥機。
液体酸素:沸点が窒素より低いため、液体窒素で液化して溜まる。

YZ川はオイルポンプでサンプルを乾燥させようとしていた。
しかし!そのサンプルはオイルポンプに付けると無くなってしまうものだった。途中で気付き、慌てて液体窒素トラップを交換しサンプルの回収をはかるYZ川。が、慌てていた彼はトラップの交換手順を間違えた。

空気にさらされた液体窒素トラップの中には徐々に液体酸素が溜まっていった。

そして数時間後。ポンプの調子がおかしいことに気付いたYZ川。見るとトラップ内に液体が・・・
「酸素溜まってるやんけ!」
その量実に50ml。慌ててN助手に報告してトラップを外そうとするが、
ばか者ぉ!トラップ外すな!爆発する!
と一喝。そう、今ここでトラップを外すと酸素が気化して「ボン」である。
「どうしたらいいんですか?」
情けない声で救いを求めるへたれ学生。
「そのままポンプで吐き出せ!」
さすがです。何事にも先達はありぬべきかな。
ポンプを接続すると、何事もなく液体酸素は徐々に気体として吐き出されていきました。こうして研究室爆破の危機は去っていきました。

「実験は爆発なのにな~」


本人は十分反省しています。軽く読み流してください

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