私たちは、金属・半導体などを組み合わせてナノスケールの人工物質を作り出し、
電子の電荷・スピン・位相の織り成す多彩な物性の制御を目指した研究を行っています。
特に、電子の二つの自由度である電荷とスピンを自在に制御するスピントロニクスを
実現することを目指しています。このような研究は、近年の微細加工技術の飛躍的な
進展によって初めて可能になったもので、基礎研究が応用へと直結する物質科学研究
として世界的に一大潮流となっています。
人工物質の作製は、
(1) 超高真空蒸着による原子層単位での多層膜作製
(2) 電子線リソグラフィーを用いたナノメートルスケールの加工
という二つの微細加工技術を組み合わせて行います。
得られた人工ナノ物質を舞台として、電気伝導度・X線回折・磁化率・
磁気力顕微鏡・トンネル顕微鏡・メスバウアー分光・中性子回折などの様々な
測定手法を駆使して、新しい物性の探索を行い、電気伝導や磁性などの物性の制御を
行います。
現在進行中のテーマは以下の通りです。
(1) ナノ磁性体(磁性細線やナノドット等)における磁化過程の制御
(2) 強磁性体から非磁性体(金属、超伝導体、半導体)へのスピン注入による物性制御
(3) 超高密度記録媒体・磁性単電子素子への応用を目指した磁性ナノ微粒子
(4) 強磁性体の磁化状態のスピン電流による制御
(5) 人工量子系(人工原子など)における量子状態制御
研究内容についてもっと知りたい学部生の方は「和文解説」の文献も是非参考にしてください。
研究内容の紹介動画はこちら
我々が日々利用している研究設備を紹介します。