プラズモン、半導体ナノ粒子を用いた高性能光機能材料の創製
プラズモン(Au、Ag、Cu)ナノ粒子による光電場増強場の構築は、弱い光あるいは低エネルギーの光を用いた光化学反応の高効率化や新奇反応の開拓が可能となる。ボトムアップ法により創出される精緻なナノ粒子およびその超格子を用いることにより、プラズモン誘起光電場増強による酸化反応、二光子励起発光、光電子移動反応を利用した新奇光化学反応の開拓が可能になると期待される。一方、金属カルコゲニドに代表されるイオン結晶半導体ナノ粒子は、液相構造制御が容易であり、粒径に応じた量子サイズ効果により、紫外から近赤外領域の広い範囲で吸収・発光波長を制御することが可能である。このため、半導体ナノ粒子は、発光材料や光電変換材料への応用が期待されている。

Auナノ粒子のプラズモン共鳴吸収波長制御
アルカンチオール保護 Auナノ粒子の精密粒径制御により、プラズモン共鳴吸収強度を変化させることが可能である。我々は、1.5 nmアルカンチオール(CnSH)保護Auナノ粒子粉末を150~250℃で熱処理することにより、10 nmまでのAuナノ粒子の精密粒径制御に成功しており、プラズモン共鳴吸収強度の粒径依存性を明らかにした。

[AuCl4]-イオン、 1.5±0.2 nm C12S-Auナノ粒子、3.4±0.3 nm C12S-Auナノ粒子、
5.4±0.7 nm C12S-Auナノ粒子、6.8±0.5 nm C12S-Auナノ粒子のUV-visスペクトル
[Ref.] Adv. Mater. 2001, 13, 1699.; J. Phys. Chem. B 2003, 107, 2719.

[AuCl4]-イオン、 1.5±0.2 nm C12S-Auナノ粒子、3.4±0.3 nm C12S-Auナノ粒子、
5.4±0.7 nm C12S-Auナノ粒子、6.8±0.5 nm C12S-Auナノ粒子のUV-visスペクトル
[Ref.] Adv. Mater. 2001, 13, 1699.; J. Phys. Chem. B 2003, 107, 2719.
脂溶性Auナノ粒子の直接シリカ被覆
粒径3 nm以上のAuナノ粒子は可視領域に表面プラズモン共鳴(SPR)吸収を有するため、金ナノ粒子二次元・三次元超格子はSPR波長における三次非線形光学特性を利用した光学デバイスへの応用が期待されている。ナノ粒子は、粒径の増大に伴い凝集しやすくなり、光学特性が失われるという欠点を有しており、凝集を防ぐ方法としてシリカ被覆によるナノ粒子の安定化が報告されている。一般に粒径分散が小さく均一なナノ粒子は脂溶性配位子で保護されており、このような脂溶性ナノ粒子に対して広く適応可能なシリカ被覆法の開発が望まれている。我々は、陽イオン性界面活性剤を用い水溶液中でナノ粒子ミセルを形成させ、ミセル表面での選択的加水分解により、種々の膜厚のシリカシェルで被覆されたAuナノ粒子を得ることに成功し、その熱的・化学的安定性を明らかにした。

C12S-Auナノ粒子の直接シリカ被覆とAu溶出による中空シリカ粒子の創成
[Ref.] J. Nanosci. Nanotech. (Communications), accepted.

C12S-Auナノ粒子の直接シリカ被覆とAu溶出による中空シリカ粒子の創成
[Ref.] J. Nanosci. Nanotech. (Communications), accepted.
チオール保護Auナノ粒子の室温粒径制御
ボトムアップ法により創出される精緻なナノ粒子およびその超格子を用いることにより、プラズモン誘起光電場増強による新奇光化学反応の開拓が可能になると期待される。そこで、低耐熱性の低分子量有機配位子を用いたAuナノ粒子超格子の創製を目的に、2 nm程度のチオール保護Auナノ粒子の酸・ハロゲン化物イオン処理による室温粒径成長について検討したところ、プロトン酸の濃度・酸性度ならびにハロゲン化物イオンの濃度・柔らかさが、室温での配位子の脱着および粒子の融合に大きく影響し、2~7 nmの範囲でAuナノ粒子の精密粒径制御に成功した。

プロトン酸とハロゲン化物イオンによるチオール保護Auナノ粒子の室温粒径制御
[Ref.] J. Am. Chem. Soc., accepted.

プロトン酸とハロゲン化物イオンによるチオール保護Auナノ粒子の室温粒径制御
[Ref.] J. Am. Chem. Soc., accepted.
CdSeナノ粒子の粒径制御と発光波長制御
ステアリン酸カドミウムを前駆体として用いた立方晶(閃亜鉛鉱型)CdSeナノ粒子の粒径制御(2.0~8.6 nm)、ならびに、量子サイズ効果を利用した発光波長制御に成功した。

CdSeナノ粒子の量子サイズ効果を利用した発光波長制御(励起光波長:365 nm)
[Ref.] Chem. Lett. 2005, 34, 1004.

CdSeナノ粒子の量子サイズ効果を利用した発光波長制御(励起光波長:365 nm)
[Ref.] Chem. Lett. 2005, 34, 1004.
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