京都大学 化学研究所 先端ビームナノ科学センター 原子分子構造研究領域

アスパルターゼの機能部位探索と耐熱化機構解明


中等度好熱菌Bacillus sp. YM55-1由来アスパルターゼ
(鳥取大学工学部 河田研究室との共同研究)

Bacillus sp. YM55-1由来アスパルターゼの四量体分子構造
色分けされた4つのサブユニットが会合して1つの分子を形成している


機能発現部位の探索
活性部位クレフトと基質結合推定モデル
3つのサブユニット(赤・青・緑)により構成される活性部位クレフトを表示している。 類縁酵素との構造比較により、局所的に構造の異なる領域(黄色で表示)を見いだした。
各酵素に特徴的な機能を照らし合わせて詳細な検討を行い、基質分子であるアスパラギン酸の推定結合モデル(中央のCPK表示モデル)を作成した。


耐熱化機構

常温菌である大腸菌由来アスパルターゼ(Shi et al., Biochemistry, 36, 9136-9144, 1997; PDB ID 1JSW)との構造比較により、Bacillus YM55-1由来アスパルターゼでは、水素結合やイオンペアーの数が増加していることが判明した。特に、分子中のイオン性残基の全体数はほとんと変わらないにもかかわらず、イオンペアーに関与している残基数がBacillus YM55-1由来酵素では多い。

イオンペアーの分布比較

大腸菌由来酵素Bacillus YM55-1由来酵素
分子全体でイオンペアーに関与している残基
139残基

180残基
ドメイン間のイオンペアーに関与している残基
28残基

48残基
全イオン性残基数400残基404残基



<関連公表論文>


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