機能概要
CP2Kは、原子レベルで物質のシミュレーションを行うためのソフトウェアです。
固体や液体、分子、結晶、生物系など、さまざまな材料の構造や性質を解析できます。
このソフトウェアは、量子力学と古典力学の手法を組み合わせて計算を行うことが可能です。
特に、DFT(密度汎関数理論)を基盤としたGPWやGAPWという計算手法を採用しており、高精度なシミュレーションが可能です。
CP2Kが対応している理論モデルには、以下のようなものがあります:
・DFTB、LDA、GGA、MP2、RPA(量子化学的手法)
・AM1、PM3、PM6、RM1、MNDO(半経験的手法)
・AMBER、CHARMM(古典的な力場モデル)
また、CP2Kでは以下のようなさまざまなシミュレーションが可能です:
・分子動力学(MD): 時間変化に伴う原子の動きを解析
・メタ動力学: 反応経路やエネルギーバリアを調べる
・モンテカルロ法: 乱数を使ったシミュレーション
・エーレンフェスト動力学: 電子と原子の相互作用を考慮
・振動解析: 分子の振動モードを計算
・内殻準位分光: 分子の電子状態を解析
・エネルギー最小化: 安定した構造を求める
・遷移状態の最適化: 反応の中間状態を特定(NEB法、ダイマー法)
このように、CP2Kは幅広いシミュレーションを実行できる強力なツールです。
利用方法
利用範囲
制限なし
利用キュー
APG以外
利用できるバージョンと設定方法
バージョン | 設定方法 |
2025.1 | module load cp2k/2025.1/cpu |
実行方法
% module load cp2k/## (##:バージョン)
% setenv OMP_NUM_THREADS OMPスレッド数
% mpirun -np MPIプロセス数 -i input -o output
環境変数 OMP_NM_THREADS の指定がない場合は自動的に OMPスレッド数は 1 となります。
バッチスクリプトでの実行例
以下、バッチスクリプトのサンプルを示します。
斜体字部分を書き換えてください。また、実行CPU数の指定は黄色部分になります。
#!/bin/csh
#PBS -q SMALL
#PBS -N title
#PBS -l select=1:ncpus=8:mpiprocs=4
source /etc/profile.d/modules.csh
module load cp2k/2025.1/cpu
cd $PBS_O_WORKDIR
setenv OMP_NUM_THREADS 2
mpirun -np 4 -i job.inp -o job.out
この例では、入力ファイル job.inp 、計算結果ファイル job.out としています。
また、OMPスレッド数は2, MPIプロセス数は 4 であり、結果として 2 x 4 = 8 となるため、8コアを使ったジョブとなります。
サンプル
サンプルとなる入力ファイルや、その計算結果ファイルは、以下のディレクトリに格納されています。
/usr/appli/cp2k/xx/benchmarks
xx はバージョン番号です。例えば 2025.1 です。
マニュアル
関連サイト
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