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Materials Studio

機能概要

Materials Studio (以下 MS) は、Materials Visualizerというグラフィックスインターフェースを中心に、オプションモジュールを組み合わせることによって、 低分子、高分子、結晶など多彩な物質のモデリングに最適な環境をユーザに提供します。

スパコンシステムでは、宇治・吉田・桂の地区に対するアカデミックライセンスを保有しています。 したがって、Materials Studioの全モジュールが利用可能です。

どのような機能を持つモジュールが用意されているか、どのような研究に活用できるかなどについては以下のサイトをご参照ください。
https://www.3ds.com/ja/products-services/biovia/products/molecular-modeling-simulation/biovia-materials-studio/

利用方法

各研究室内で特定のPCにインストールして利用することができます。 また、Materials Studio および Discovery Studio は京都大学 宇治・吉田・桂キャンパスにおける アカデミック契約となっており、同一研究室内で、複数の利用者が同時に 当該アプリケーションを利用することも可能です。 利用希望者は特殊アプリケーション利用申請書を提出してください。

なお、アカウントの共用はできません。必ず、利用者ごとにスパコンシステムのアカウントを取得してください。

【利用条件】
本アプリケーションはアカデミック契約に基づく利用となります。そのため、以下の制約がありますので、ご注意ください。
(利用者)
京都大学に所属する教職員・学生
(支払責任者の所属は京都大学以外でも構いません。)
(利用場所)
京都大学 宇治・吉田・桂キャンパス内に設置された端末・サーバに限られます。 ただし、VPN接続等によって学外(自宅、他大学等)から京都大学ネットワークに接続(※)して、利用することは可能です。
(インストール端末)
MSをインストールすることができる端末は京都大学が所有する端末に限られます。 個人が所有するPC端末や、他大学が所有する端末にはインストールすることができません。
(利用目的)
学問的使用および学問的研究を目的とした使用で、認められます。
また、企業からの資金提供を受けたプロジェクトではこれらソフトウェアを利用することはできず、 直接または間接的に第三者の商業目的のために使用することはできません。

さらに、利用者自身の研究目的にのみ利用することができ、受託解析を行うことはできません。 ただし、他の大学と共同研究を実施して京都大学の研究者が解析を行った場合、その解析結果が その京都大学の研究者の名前を含めて発表されるのであれば、問題ありません。
(成果物)
MSの利用によって得られた成果物は京都大学の成果物として扱うことが必要です。 具体的には、論文投稿時の所属や学会発表での所属などはすべて京都大学を含めていただくことが 必要になります。

(※) 「VPN接続等によって学外(自宅、他大学等)から京都大学ネットワークに接続」とは、 スパコンシステムにて提供しているVPN接続サービスとは異なり、京都大学学術情報ネットワーク(KUINS)にて提供されている、 研究室のネットワークへの接続が可能なVPN接続サービスをご利用いただく必要があります。 詳しくはこちらをご参照ください。

計算を行う場合、Visualizer を介して実行する方法と、計算サーバにログインし直接コマンドラインから 実行する方法があります。

また、Visualizer では、PC端末と計算サーバのどちらでも計算を実行させることができます。

ライセンスサーバの指定

【準備】
MSやDSの利用の際には事前にライセンスサーバの指定が必要です。 具体的な設定手順はインストールドキュメントを参照いただくこととし、ここでは要点のみお知らせします。

(1) Windowsのスタートメニューから、Accelrys -> Licensing -> License Administrator x.x.x を選択します。 (マウス右ボタンで「管理者として実行…」を選択して開いてください。)
(2) 画面が開いたら、Lisense Server Connections を選び、[Edit...] でライセンスサーバの設定画面を開きます。
(3) Redundant servers にチェックを入れ、各 Host name と Port は次のようにしてください。

Host name: fe1.scl.kyoto-u.ac.jp
Host name: fe2.scl.kyoto-u.ac.jp
Host name: fe3.scl.kyoto-u.ac.jp
Port: 1715

(4) DNSサフィックスに scl.kyoto-u.ac.jp を追加してください。

上記のDNSサフィックスの設定画面を開くには
Windowsのスタートメニュー -> Windowsシステムツール -> コントロールパネル -> ネットワークとインターネット -> ネットワークと共有センター -> イーサネット -> インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IP) を選択 -> プロパティ -> 詳細設定... -> DNSタブ

Materials Visualizerからの計算実行

【準備】
Visualizer から計算サーバへジョブを投入する場合には、Gatewayサーバの設定が必要です。 Gateway サーバとは、PC端末と計算サーバを中継してくれるサーバです。
自分のPC端末上で計算を行う場合にはこの設定は不要です。

  1. MS を起動
  2. Tools -> Server Console を選択し、Server Console ダイアログを表示
  3. Server Console にて、操作 -> 新規作成 -> Server Gateway を選択し、New Server Gateway ダイアログを表示
  4. URL: http:// に fe2.scl.kyoto-u.ac.jpを入力
  5. Port Number: には、使用したいバージョンに応じた番号 を指定

【実行】
各計算モジュールに Job Control というタブがあります。(たとえば、CASTEP では Modules -> CASTEP -> Calculation )
この中で Gateway location: で 自分のPC端末で実行させる場合には、My Computer を選択します。

計算サーバでジョブを実行したい場合には、【準備】で設定したGateway サーバを指定します。 さらに、Queue では利用するバッチキュー、また必要に応じてRun in parallel で使用する CPU 数を指定してください。

もし、新しいポート番号のGatewayを登録したにも関わらず表示されない場合には、PC端末の再起動をお願いします。

【バージョンとポート番号の対応】
計算サーバ側で MS のバージョンアップが行われ、そのバージョンで計算サーバ上で計算をしたい場合には PC端末側の MS も バージョンアップが必要です。また、その場合、最新バージョンを利用するには、そのバージョンに応じたポート番号の指定が必要です。 これまでの計算で使用したバージョンを当面使い続けたい、バージョンアップをすぐに行う時間的余裕がない、といった場合には、 今の設定のままで当面利用が可能です。

各バージョンとポート番号の対応は、この表を参考にしてください。

コマンドラインからの実行

コマンドラインから計算モジュールを実行することができます。 以下に、コマンドラインから実行する時のコマンド名を示します。

計算モジュールコマンド名
CASTEPRunCASTEP.sh
DMol3RunDMol3.sh
ONETEPRunONETEP.sh
VAMPRunVAMP.sh
ForciteRunMatScript.sh

上記も含め、スパコンシステムではMSのすべての計算モジュールが利用できます。

また、新システムでは、上記コマンドを実行する前に、Materials Studioの環境変数の設定を 行う必要があります。 バッチスクリプトでは、以下の2行を上記のコマンドの前に記述してください。

% source /etc/profile.d/modules.csh  (Cシェルの場合)
% module load ms/##

## は、バージョン番号です。(例 19.1)
番号の指定は、最新版の場合でも必ず指定してください。

利用できるバージョンとポート番号、モジュール設定方法

正式なバージョン名バージョン番号ポート番号設定方法
202424.118889module load ms/24.1
2023 HF323.118888module load ms/23.1

利用可能なキュー

■コマンドラインから実行する場合
SMALL/APC/APG/SDF キュー
コマンドラインから実行する場合は、他のジョブと同様に、それぞれの キューに設定された制限値に従います。 なお、APGキューはForcite等の一部の計算モジュールに対してのみご利用いただけます。 CASTEPやDMol3ではご利用いただけませんのでご注意ください。

■Visualizer 経由で実行する場合
SMALL/APC/APG/SDFキューです。Visualizer経由で実行する場合のキューの制限値は 独自の制限値になります。具体的には以下の通りです。

キューSMALLAPCAPGSDF
ジョブあたりの同時実行プロセス数12566456
ジョブ当たりの使用可能メモリ48GB220GB980GB2240GB
ジョブ当たりの使用可能GPU数--1-
ジョブの最大経過時間12時間120日120日120日

使用可能メモリ(GB)は、指定するプロセス数によって自動的に設定されます。 SMALL/APC/APG キューではプロセス数 * 4GB です。SDFキューではプロセス数 * 40GB です。
APGキューでは利用できるGPU数は1枚のみです。
もし、この使用可能メモリを越える、あるいは経過時間を越えた場合、 バッチシステムによって自動的にジョブが停止されますのでご注意ください。

また、プロセス数の指定では、Run in parallel on: で指定を行ってください。
Using up to: の指定は無視されます。

FAQ

【症状】communication-failure となり計算結果を計算サーバからPC端末へダウンロードできません。
【原因】計算結果のファイルサイズが数10MBを超えるような大きな場合に、communication-failure となることが多いようです。
【対処】
(1)計算サーバにログインします。
(2)計算結果ファイルをユーザがアクセス可能な領域へコピーします。そのためのコマンドとして、getmsjob が用意されています。
(3)FFFTPやWinSCP等のツールを使って、計算サーバからPC端末へダウンロードしてください。

(2) の具体的な手順は以下の通りです。なお、以下のJob IDとは、例えば 9CVD3, Q1T0P, XXJHT, UG8G0 といった5桁の英数字からなるIDです。

% getmsjob
Destination directory to copy results [/aptmp/user]:   
    (コピー先のディレクトリを入力してください。[ ] 内はデフォルト値です。)
Enter PC user name:   
     (特殊アプリケーション利用申請で登録した、PC端末のユーザ名を入力してください。)
Select Gateway Port Number (18888/18889/18890/18891/18892/18893):
     (計算で利用したGateway のポート番号を入力してください。)
Enter Job ID (five characters) or 'q' to exit:     
    (Job IDを入力してください。Job ID の計算結果ファイルが、
                                      最初に指定したディレクトリへコピーされます。)
Enter Job ID (five characters) or 'q' to exit:     
   (他にもジョブがある場合、同様にそのJob IDを入力してください。
                                                  なければ、q を入力してください。)
Bye.

【症状】新しいプロジェクトを作成しようとすると以下のエラーが表示されてしまいます。
Failed to set up Project Log in Diagnostics Manager.BSTR could not be converted to narrow CP_ACP string without use of surrogate pairs, in BSTRToString
【原因】プロジェクトを作成するディレクトリのパスに半角英数字以外(つまり、日本語文字など)が含まれていることが原因です。 よくあるのは日本語からなるユーザ名の下の階層にプロジェクトを作成するような場合です。
【対処】日本語のユーザ名の下ではなく、半角英数字だけからなるディレクトリのパスの下にプロジェクトを作成してください。
X:C:\Users\山田花子\Materials Studio Projects (パスに日本語”山田花子”が含まれているため。)
〇:C:\MS\Materials Studio Projects (パスはすべて半角英数字のため問題ありません。)

ダウンロード

特殊アプリケーションの利用申請を提出されたユーザのみ以下よりインストールメディアのダウンロードが可能です。

ダウンロードセンター(システムのIDとパスワードが必要)

マニュアル

関連サイト