化学の醍醐味の一つは、分子レベルでの「ものづくり」が可能であることである。 原子や分子を自在に組立て、新しい物性の期待される物質の構造を設計し合成する。 その新物質の構造を精密に測定し、果たして予想された性質が現れるか、 あらゆる分析・解析手段で調べ上げる。その結果に理論的解釈を加えて論文発表し、 また新しい分子の設計にフィードバックする。この研究サイクルによって、 これまでに無い、真に優れた物性を有する物質を創製する。これが私達の行なっている 「構造有機化学」である。我々の扱うπ電子が共役した分子においては、 σ電子と比較してその電子が自在に動き回る性質、他分子と相互作用する性質の結果、 分子設計により多様な機能を付与することが可能である。
例えば、従来のシリコンなどの無機材料を有機材料で置き換えた、有機電界発光素子(有機EL)、 有機電界効果型トランジスタ(有機FET)、有機太陽電池などに代表される
2023年度の研究紹介(pdf)
2020年度の研究紹介(pdf)
2019年度の研究紹介(pdf)
2017年度の研究紹介(pdf)
2015年度の研究紹介(pdf)
我々の研究スタイルの特徴として、1)機能発現のための分子設計の提案、2)効率的合成法の開拓を行いながらの標的分子の合成、3)得られた化合物の基礎特性評価、デバイス応用、といった一連の有機材料開発を一貫して行っていることが挙げられる。 また、真に優れた特性を示す有機材料を開発するため、分子設計および物性解析にDFT計算を初めとする理論計算を用いて、 得られた結果を迅速に分子設計にフィードバックするという点も 我々の研究スタイルのもう一つの特徴である。
DFT計算を駆使したπ軌道の精密制御に基づく有機色素材料の開発
(JST-さきがけ「太陽光と光電変換機能」研究領域、5年型研究課題)
(化学研究所の特徴を活かした融合的・開拓的研究)