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有機ELデバイス −基礎科学と高機能化−


 有機ELは、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ等に搭載されつつある、最新の発光デバイスです。最近では、2010年、有機ELデバイスを用いた大型ディスプレイ(オーロラビジョン)が発売され、2011年、日本科学未来館にて地球儀型ディスプレイ「Geo-Cosmos」として展示されることとなりました。放送用マスターモニターとしても実用化されてつつあります。
 また、有機ELは、水銀を含有している蛍光灯にかわる、環境負荷の少ない白色照明としての利用も期待されており、2012年現在、5つの会社から実験的に販売が始まっています。そのすべてが日本発であり、製造業の活性化という意味でも、重要な分野です。

 しかし、その一方で、新しいデバイスであるがため、有機ELの基礎科学はまだまだ未開拓です。当研究室では、固体NMR、量子化学計算、合成、デバイス作製を基軸とし、「有機ELというデバイスの中で、有機材料はどのような構造をとっているのか」、また、「電荷輸送あるいは発光過程において、デバイス中で実際にどのようなことが起こっているのか」を"分子・電子のレベルから明らかにすること"を目標に、材料化学・分析解析化学・デバイス物理・作製プロセスの分野融合的立場から研究を進めています。また、得られた基礎的知見をもとに、高輝度・長寿命有機ELデバイスの創製を行っています。

[関連のページ]
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2010/0913.html http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2011/0601.html http://www.sony.jp/products/Professional/BVM/index.html
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固体NMRによる有機ELデバイスの精密解析


 有機ELデバイス中の有機膜は非晶状態です。結晶化はデバイスの劣化を引き起こしますし、実用化の観点から、大面積のデバイスを作製するためにも非晶状態であることが必須です。しかし、結晶と異なり、非晶状態の構造は未解明のままです。

 当研究室では、新たな固体NMR測定手法を開発するとともに、これまで我々が確立してきた種々の固体NMR法により、非晶状態の精密構造・ダイナミクスの解析を可能としています。それらの測定・解析手法により得られた知見をもとに、有機ELデバイスの特性向上、新規材料開発のための基礎科学の構築を目指しています。

 また、有機ELデバイスの劣化に関する研究は、その実用化の観点から、現在、最も重要な研究の一つとなっています。現在固体および溶液NMR測定により、デバイスの劣化に関する研究も進めています。

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量子化学計算による有機ELデバイスの物性予測


 上記、固体NMRによる実験的アプローチとともに、量子化学計算によるアプローチにより、さらに精密な解析を行っています。汎用的な密度汎関数法(DFT)はもとより、X線回折測定よりも高精度の構造解析(gauge-including projector augmented-wave (GIPAW) 法による)や、電荷の移動速度の予測(再配列エネルギー計算、電荷移動積分計算、および、電荷移動モンテカルロ計算による)を行い、分子、電子のレベルから有機デバイスの機能予測を行っています。

Structures of CBP and TPB and the charge transfer rate constants.

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有機合成による有機ELデバイスの高性能化


 新規有機EL材料の開発は、有機ELを高性能化させる上で極めて重要です。我々は、その材料開発も進めています。他研究室との共同研究も、広く行っています。

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有機太陽電池 −基礎科学と高機能化−


 上記、有機ELに関する研究に加え、有機太陽電池に関する研究も手がけています。有機太陽電池でも、その有機層における種々の階層構造が太陽電池特性に大きく影響することから、その解析は重要です。現在、素子作製・特性評価、および、固体NMRによる解析を中心に、研究を進めています。

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有機分子を触媒としたリビングラジカル重合と有機ELへの応用


 高分子の分子量や分子量分布、末端構造、共重合様式、分岐構造といった高分子の一次構造を制御する精密重合法として、リビングラジカル重合(LRP)が注目されています。これらの一次構造は、高分子材料の物性を支配するため、それらの制御は学術的にも実際的にも重要です。

 我々は、最近、ゲルマニウム、リン、窒素、酸素、および炭素等を中心元素とする有機分子を触媒として用いた新しい型のLRPを開発しました。この重合は、非金属を触媒とする初のLRPであり、科学的にも新しいタイプの反応機構で進行することが明らかとなっています(可逆連鎖移動触媒重合(RTCP)と命名)。触媒が安価で、低毒性で、取り扱いが容易な、経済性、対環境性、簡便性に優れた重合法であり、制御性高分子材料の魅力的な合成法となりうると期待し、その有機ELデバイスへの応用も行いつつあります。

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TIME:

2015/11/20
Publications に論文一覧をアップしました。

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京都府宇治市五ヶ庄 京都大学
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