πー金属軌道相互作用を利用した金属クラスター化学の開拓

等方性無機ナノ粒子を集積させ異方的な機能を発現させるためには、規定数の有機分子を配位させることにより等方性無機ナノ粒子に異方性結合サイトを導入する必要があります。また、有機分子と無機物質の機能融合による革新的機能(低抵抗有機-無機界面など)の創出のためには、単に有機分子と無機物質を物理的に接触させたりσ結合で連結するのではなく、両者間を電子的に結合させることが望ましい。大環状π共役分子をナノ粒子表面に平面配位させることで、このような機能を発現させることができます。


ポルフィリンーAuナノ粒子・クラスター


Auナノ粒子表面のAuーポルフィリン (Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 307.)


内包Auクラスターと六つの有機面からなるプラトン六面体 (J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 816.)


ポルフィリン/Au系における最強πー金属軌道カップリング (Chem. Sci. 2014, 5, 2007.)


擬四面体形状ポルフィリン誘導体保護Auクラスター (J. Phys. Chem. C 2017, 121, 10760.)


電気化学的水素生成反応におけるAuクラスターの触媒活性の配位子効果 (Chem. Sci. 2018, 9, 261.)


分子ー金属界面における軌道混成がキャリアダイナミクスに及ぼす影響 (J. Phys. Chem. C 2019, 123, 25877. (Cover Picture))