ホーム>研究内容>細胞形態形成/サイトカイニン/CSN
研究内容
(1)植物細胞形態形成の制御機構の研究

シロイヌナズナのPIP5K3は伸長中の根毛の先端特異的に局在する。図左の緑色の部分、および図右の色レベルの高い部分がPIP5K3-YFPの局在位置を示す
 植物細胞はその機能に応じて大きく形を変えます。そのような細胞の中で、根毛は特徴的な形態や観察の容易さなどから植物細胞形態形成のモデル系として研究されてきました。根毛は根表皮細胞の一部分が伸長することにより形成されます。その伸長過程は、先端部のみで新たな細胞膜や細胞壁の形成が起こることから、先端成長と呼ばれています。私たちは、このように高度に極性を持った細胞形態形成過程の制御において、脂質シグナルが重要な役割を果たしていることを明らかにしました(Ohashi et al., 2003, Science ; Kusano et al., 2008, Plant Cell)。フォスファチジン酸(PA)やフォスファチジルイノシトール二リン酸(PIP2)などの脂質は細胞内で位置情報を持ったシグナル分子として働くことから、極性決定の因子として用いられていることが考えられます。それらを生成する酵素であるフォスフォリパーゼD(PLD)およびフォスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)に着目し、タンパク質機能およびそれらをコードする遺伝子の機能を研究しています。
シロイヌナズナのトライコームは32Cの核相を持つ(増殖細胞では核相は2C)。トライコームの中心に見える核を下部にリング状に集まるソケット細胞の核と比べると、その大きさが判る。
 葉の表面の突起であるトライコームは、シロイヌナズナでは三叉の巨大細胞です。その形態形成過程には核相の倍化現象(eplicatindoreduon)が深く関わっています。私たちはそのendoreduplicationを制御する因子としてサイクリンの一つであるCYCA2;3を同定しました(Imai et al., 2006, Plant Cell)。このトライコームの系を用いて、細胞形態形成と細胞周期との関わりを研究しています。

[院生募集中]